2013年3月28日木曜日

「離婚倶楽部」復刻のお知らせ

いよいよ幻の名作「離婚倶楽部」完全版が上・下巻で出版されることとなりました。
3月31日(日)より、現在開催中の原画展会場にて、まずは上巻を先行販売致します。
店頭での販売は4月中旬予定、下巻の発売は5月を予定しております。
まんだらけ出版より、上村一夫ビブリオテークシリーズ第二弾として出版されることになった「離婚倶楽部」は、漫画アクションで1974年10月31日号〜1975年8月7日号で連載されていました。
当時単行本化されたのはそのうちの約四分の一にあたる一巻のみ。
全体に流れる叙情的な雰囲気、夜の世界。上村一夫の得意とする世界観に浸ることのできる作品です。どうぞよろしくお願いいたします。



「離婚倶楽部」(上巻)
判型 A5判
装幀 ビロード装ソフトカバー/外装シュリンクフィルム帯シール付
定価 2,940円(税込)
発行 まんだらけ出版

先行販売会場 =======================================
★ 上村一夫原画展「花の輪廻」
会期:2013年3月19日(火)〜4月21日(日)月曜休/15:00〜22:00
会場:神楽坂artdish
〒162-0805 東京都新宿区矢来町107番地
Tel.  03-3269-7289
*3月31日(日)は、午後4時から夜11時まで、展示会場である神楽坂artdishを一日限定で「BAR 離婚倶楽部」としてOPEN!
上村一夫所縁のスタッフとミュージシャン達があなたをお迎えいたします。
原画の鑑賞とともに、美味しいお酒や素敵な音楽で上村一夫を偲ぶ夜を過ごしませんか。
どうぞお気軽にお立ち寄りください。


★ 「モダニスト 上村一夫の世界」
会期:2013年3月26日(火)~4月8日(月) 10:00 ~ 22:00
会場:京都恵文社一乗寺店内ギャラリーアンフェール
京都市左京区一乗寺払殿町10

Tel.  075-711-5919


2013年3月19日火曜日

上村一夫原画展「花の輪廻」始まります。

本日より神楽坂artdishにて上村一夫原画展「花の輪廻」開幕します。
悪の華」の迫力の生原稿、上村一夫が演出家の久世光彦に贈った究極の一枚、コラージュアーティスト河村康輔氏との初コラボ作品など、充実の展示内容となりました。


 販売コーナーでは、上村一夫本人が最後まで使用していた原稿入れ袋(12,000円・限定品)、「離婚倶楽部」復刻の記念に作ったマッチ(3個セット250円)、ポストカード(2種類各1,000円)、Tシャツ各種など、美しい上村美女画グッズを取り揃えております。

新作のマッチ「離婚倶楽部」


ちなみに、販売コーナーでは貴重な二代目原稿袋も密かに展示しておりますので、探してみてください。

貴重な一点ものですが、特別に河村康輔氏と上村一夫のコラージュ作品も販売します。
後にも先にももうあり得ない!奇想天外な河村ワールドです。

もちろん、まんだらけ出版から絶賛発売中の「リリシズム」「悪の華」 も会場にて販売致します。

中央テーブルには「リリシズム」と「悪の華」サンプルを一冊ずつ置いてありますので、お時間ある方はお茶などオーダーいただき、ゆっくりお過ごしいただければと思っています。

それから、来週26日から始まる京都恵文社での展示「モダニスト 上村一夫」の洒落た栞DMも少しづつですが置きましたので、ご興味ある方や栞好きの方はご自由にお持ちくださいませ。

期待の新刊、「上村一夫 愛の世界」、及び、まんだらけ出版からの上村一夫ビブリオテークシリーズ第3弾「離婚倶楽部」(上巻)は、26日入荷予定です!

今月31日には、「離婚倶楽部」復刻記念パーティーとして一日限りの「BAR 離婚倶楽部」をオープンしますので、是非遊びにいらしてください。
(もちろん入場無料。お土産付きです。)


会期中、オープンは午後3時、夜10時までご覧頂くことができます。
美しく妖しい上村一夫の原画を、この機会に是非ご覧ください。


上村一夫原画展「花の輪廻」
2013年3月19日(火)〜4月21日(日)/月曜休み
gallery open:15:00〜22:00

2013年3月18日月曜日

「上村一夫 愛の世界」発売のお知らせ



ついに「上村一夫 愛の世界」の詳細をついにお知らせできる運びとなりました。
漫画でも画集でもない、皆様の想い溢れる素敵な一冊にしていただきました。
今回ご協力いただいた皆様、そして企画から編集まで情熱を注いで作り上げてくださった井口啓子さん、本当にありがとうございます。
今月26日より京都恵文社神楽坂artdishの原画展会場にて先行販売致します。

『上村一夫 愛の世界』
編集・発行:井口啓子(Super!)
ページ数:72ページ(モノクロ+表紙)

イントロダクション
ページから愛が奔り出す………井口啓子

インタビュー
恋愛のマスターピース………曽我部恵一

寄稿
『同棲時代』の思い出~今日子に憧れた十九の頃………甲斐みのり
誰が上村世界を撮れるのか?………岸野雄一
ぎりぎりの女たちの美しさ………雨宮まみ
他人の私小説………aCKy(面影ラッキーホール)
わたしのなかの上村一夫………渚ようこ
上村一夫から遠く離れて………豊田道倫
私と今日子と母と………植本一子
この人、意外につまらない男よ………キングジョー
上村一夫の歌声はレコードの上………足立守正

特別編集:愛の風景
あれも愛、これも愛、たぶん愛、きっと愛…。
愛の作家・上村一夫が描いた「愛」の珠玉シーン







◯ 上村一夫原画展「花の輪廻」@神楽坂artdish
2013年3月19日(火)~4月21日(日)15:00~22:00(月曜休)



神楽坂artdish
東京都新宿区矢来町107番地 TEL:03-3269-7289
http://www.artdish.co.jp/g

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◯ 「モダニスト 上村一夫の世界」
2013年3月26日(火)~4月8日(月)10:00〜22:00(最終日のみ 18:00まで)

恵文社一乗寺店内 ギャラリー・アンフェール
京都市左京区一乗寺払殿町10  Tel & Fax 075-711-5919
 http://www.keibunsha-books.com/

2013年3月12日火曜日

原画展情報その6〜原稿袋

上村一夫はもともとイラストレーターを志していた、 というのは「リリシズム」にも書いてあるようにまあまあ有名な話。
武蔵野美術大学時代は芸能デザイン科で舞台美術(時に役者も)、4年生のときには
広告会社の宣弘社でアルバイト、この時机を並べていたのが後の阿久悠さん。3歳年上の阿久さんの存在は父にとって大きな転機となったのもまあまあ有名なお話。それで思い出しましたが、お茶の水の明治大学にある「阿久悠記念館」では、いま宣弘社時代の貴重な展示を観ることができます。

その後、アシスタントなどの下積み時代なく、漫画家になってしまうわけですが、経歴が経歴なだけに漫画家になってからもデザイン畑にいたクセは消えなかったのか、消したくなかったのか、特に意識していたわけではなかったのかわかりませんが、ポスター・挿絵・レコードジャケットなど、多忙にも関わらず多くのイラストの仕事を残しています。
(そこに注目してくださったのが今月26日から開かれる京都恵文社での展示です)

中でもこだわり続けたと思えるのが、編集の方に原稿を入れて渡すときのオリジナルの
原稿袋。 今になって言われることですが、あんまりそんなことする人いなかったみたいです。初代はモノクロのキャンバス地で、内側に同じようにエロティックな女たちを黒い線画で描いたデザイン。これは元アシスタントの方に寄贈していただいたものが一枚だけ残っています。もうひとつ確か白い袋の内側に、エロティックな女たちが赤い線画で描かれたデザインのものがあった記憶が。これは一枚も残っていません。

これがたぶん初代のオリジナル原稿袋

そして、最後が「同棲時代」風のコマ割デザインのもの。これは会場でグッズをお買い上げいただいた方に商品を入れるためのビニールバックで復刻しましたが、 実は使われぬままの現物が何枚か残っています。いままで特に意識もせず、ただ残していましたが、今回の京都恵文社神楽坂artdishの原画展会場では、その現物の原稿袋を販売してみようと思います。少しですが。うちにそんなにあってもしょうがないですからね。価格は現物でそんなに数が残っていないものなので、紙だけど12,000円にさせていただきました。紙は多少劣化していますが、父の事務所で当時フルに使われていたものです。デザインもカッコイイので、ご興味ある方はギャラリーにてお申し出ください。
恵文社さんでもすでにご紹介いただいています。
http://keibunsha.jpn.org/?p=5992



上村一夫原画展「花の輪廻」@神楽坂artdish
2013年3月19日(火)~4月21日(日)15:00~22:00(月曜休)

神楽坂artdish
東京都新宿区矢来町107番地 TEL:03-3269-7289
http://www.artdish.co.jp/g

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「モダニスト 上村一夫の世界」
2013年3月26日(火)~4月8日(月)10:00〜22:00(最終日のみ 18:00まで)

恵文社一乗寺店内 ギャラリー・アンフェール
京都市左京区一乗寺払殿町10  Tel & Fax 075-711-5919
 http://www.keibunsha-books.com/
 



2013年3月11日月曜日

上村一夫♥愛の世界

今日少し泣けた。
モダニスト 上村一夫」の展示中に発売されるミニマガジン「上村一夫 愛の世界」の原稿の一部を読ませていただいて。

「上村一夫 愛の世界」は、各方面で活躍する方々に上村一夫作品への想いを語っていただくという内容の小冊子。漫画でも画集でもない、新しい切り口の上村一夫本になりました。参加してくださった方は本当に素敵な人ばかり。上村作品を知らない方でも思わず手に取る一冊になりそうです。

 企画・編集してくださったのは、音楽ライターの井口啓子さん。その筋ではとても有名有能な女性です。彼女は父を真ん中に置いて語らうことのできる大切な友人でもあります。啓子さん、今回の企画を形にしてくれて本当にありがとう!みなさんの上村作品への愛情をたっぷり感じました。

 「上村一夫 愛の世界」、沢山の方に読んでいただきたいと思っています。詳細は近日またお知らせ致しますので、どうぞお楽しみに。

上村うれし泣き。

2013年3月10日日曜日

原画展情報その5〜渚ようこさんLIVE

渚ようこさんを語るとき、「昭和歌謡の歌姫」と称してしまうことがある。
彼女があの時代をこよなく愛し、歌い続けているから。
だけど昨夜、渋谷SARAVAHのライブを観て、すでに昭和の...というコピーは必要ないとあらためて思った。松石ゲルグループをバックに歌う渚さんは時代を感じさせないカッコよさを伴っていた。昭和とか歌謡などの言葉を越えた歌手だった。単純にその歌とその存在にシビれた。(この間の渋さ知らズの時もそう思った)

確かに渚さんの歌を聴けばあの時代の匂いが濃ゆく甦ってくるし、曲も時代の歌が中心。でも、渚ようこという歌手が常にブレることなく続けてきた時間が、単純に「歌謡曲」というジャンルの良さを教えてくれる。歌は凄い。言葉とメロディで心揺さぶられ、日本を想う。華奢な身体からは想像できない太い声、妖艶な響き、これは天性のものですね。あの時代のうたを歌うための人生、さらにそこにゴールデン街「」という人間交差点のママという人生が重なって、さらに歌は艶を増すのでしょう。

彼女が最近ライフワークとしてリリースしている『ゴールデン歌謡集』が今後ますます楽しみになる。次はどんな曲を歌うのか。あの時代のこと、実はあまり詳しくない私にとってはすべてが新鮮。今回の第二集『エロスの朝』収録の「ディープパープルはどこ?」なんてたまりません。最高です。ホントに。あんな曲いま歌えるの渚さんだけ!あの時代の歌を歌うには気合いが要る。今より情報も手段も少なく、なんとなく音楽が続けられない時代だったと思うから必死さが違う、プロしか残れない時代だった。だから時代に足跡残した人はみんな太くて頑丈に感じる。それをいま体現していいのは、その時代を心から愛し、原曲を越える力のある人。渚ようこさんしかいないでしょう。(偉そうですみません)

ジャケットは2011年に開催された上村一夫原画展「渚の部屋」のときのもの。
写真は沢渡朔さん。「同棲時代」もカバーされています。

ジャケットは森山大道さん。美しいモノクローム。


そして、渚ようこさんを語るとき、そこにはいつも父の存在を感じることができる。ある意味、家族よりも上村一夫を愛しく想ってくれている人だと思う。彼女のお店「汀」に散りばめられた上村一夫の絵を眺めるたびそう思う。

父は私が二十歳の時に亡くなった。まさかそんなに早く逝くと思っていなかったので、まぁいつか酒でも酌み交わしながら話せればいい、と思っていた。だけど私はお酒が飲めず、父は成人と同時にいなくなった。因果なものだ。でも、この世にいなくなってもこんなに作品を好きでいてくれる人がいる。父を語る人がいる。とても幸せな人生だったに違いない。そして私も父を通して多くの面白い人達と繋がることができた。それが一番の財産だと思っている。

とにもかくにもそうやって、渚さんは私の歌姫であり良き友なのだ。
今回の神楽坂artdishの原画展「花の輪廻」会期中にも歌いにきてくださる。
二年前に開催された「渚の部屋」でも歌ってくれた。上村一夫の絵から抜け出したような渚さんが父の絵に囲まれ、はじめて「同棲時代」をカバーしてくれた時のこと、今でも鮮明に憶えている。高橋ピエールさんとのアコースティックなライブ。たゆたうような、本当に素敵な歌だった。まさか再び歌っていただく機会があるとは。上村一夫と渚ようこの世界がお好きな方は必見です。渚ようこ未経験の方はこの機会に是非!私もいまから楽しみで楽しみで。

2011年の神楽坂artdishでのライブの模様


 上村一夫原画展「花の輪廻」@神楽坂artdish
2013年3月19日(火)~4月21日(日) 15:00~22:00(月曜休)

♥ 特別イベント:渚ようこLIVE「愛とエロスの小部屋」
4月7日(日)開場18:30、開演19:00
出演:渚ようこ、高橋ピエール(Guitar)
予約制:3,000円(1drink付)
※お申し込みは、 g@artdish.co.jp まで

昭和の香りを散りばめた歌謡曲の歌姫、そして上村作品のミューズでもある渚ようこが2013年2月にリリースした「ゴールデン歌謡・第2集 エロスの朝」をひっさげ登場!
2011年に開催された上村一夫原画展「渚の部屋」に続き今回もスペシャルなライブを披露します。上村一夫縁(ゆかり)のあの唄、この唄、懐かしい歌謡曲のナンバーから、オリジナルまで、高橋ピエールのギターと共にアコースティックな時間に酔いしれるひとときを…

神楽坂artdish
東京都新宿区矢来町107番地 TEL:03-3269-7289
http://www.artdish.co.jp/g








2013年3月8日金曜日

原画展情報その4〜BAR 離婚倶楽部

大阪のカンちゃんは上村一夫とお酒が大好きな女性。
2008年に神楽坂の原画展で父の原画を観て号泣していたときからのお付き合い。
大阪の展示の時はいつもとっぷりお世話になっています。
そんなカンちゃんと次はなにやろうかね、と話していたとき、「いつか離婚倶楽部の店を再現したいねん」と言ってもらってふたりでえらい盛り上がったことがあります。
今回の神楽坂artdishでのイベントでは「離婚倶楽部」(まんだらけ出版)の復刻を記念して、カンちゃんの提案を一日限定で具現化することに。試運転といったところでしょうか。そう、いつか本格的にBAR離婚倶楽部を再現できたらいいなあ、と思いつつ。

「離婚倶楽部」をまだお読みでないかたはコチラで触りだけどうぞ。
http://www.kamimurakazuo.com/works/story/post_1.html
小粋ですね。父が熟知した世界です。

3月31日(日)夕方4時から夜11時まで、神楽坂artdishでゆるりと離婚倶楽部オープンします。言い出しっぺの私は夕子ママの成れの果て(?)皆様をおもてなしする所存です。 発案者のカンちゃんも大阪からヘルプに来てくれる予定。artdishの美人オーナーも特別にホステス役を。男性陣も豪華なメンツで、上村一夫ファンとして有名な高円寺vividのササキさんが蝶ネクタイにベスト姿をビシッと決め、登場人物の健ちゃんよろしくボーイ役をやってくれます。日本酒マスターもします。フロアでは上村一夫を熟知したミュージシャン、ドウオカタケシと縄文時代が離婚倶楽部のイメージで生演奏をしてくださるとのこと!ひょっとしたらスペシャルゲストが来てくれるかもしれません。

ドウオカさんはex.ヤングブギーズ。これです↓(名盤)


ああ盛りだくさん。

そして今回もお土産付きです。
去年、神保町でのトークと歌のイベントの際、お渡ししたお土産が好評だったのがとても嬉しくて、今回もはりきって作ってます。
ヒントはこれです。





当日はもちろん展示も観ることができますし、 お酒や簡単なおつまみもご用意します。
テーブルには「リリシズム」や「悪の華」のサンプル本を置き、一日だけ特別に「浮世絵シリーズ」や上村一夫のインタビュー記事のコピーファイルもご覧頂けるようにしますので、おひとりでフラッといらしてもゆっくり楽しめる空間になると思います。もちろん入場は無料です。(あ、でも一杯くらいは飲んでいってくださると嬉しいです。)

まんだらけ出版から復刻される「離婚倶楽部」の発売を記念して、上村一夫を偲ぶ楽しい一夜になれば、と思っておりますので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。



上村一夫原画展「花の輪廻」@神楽坂artdish
2013年3月19日(火)~4月21日(日) 15:00~22:00(月曜休)

一日限りの「BAR 離婚倶楽部」
日時:2013年3月31日(日)16:00~23:00

神楽坂artdish
東京都新宿区矢来町107番地 TEL:03-3269-7289
http://www.artdish.co.jp/g





2013年3月7日木曜日

上村一夫生誕73年

今日は父の誕生日。1986年に亡くなってから二十七回目の誕生日。
生きていたら73歳。どんな爺さんになっていたのか。
若くして逝った人の老後を想像するのはとても難しい。

こんな感じか。


先日、昭和歌謡の歌姫・渚ようこさんが渋さ知らズオーケストラのライブに出演される
というので観に行ってきました。
人と音の圧に圧倒されながらも、個々の音に向かう姿勢にクラクラ。
そしてゲストヴォーカルの豪華なこと!三上寛・遠藤ミチロウ・Sandii・Keyco・坂本美雨・そして渚ようこ。身体も心も否応なしに動いてしまう素敵な夜でした。
終演後、バッタリ遭遇した面影ラッキーホールのアッキーと楽屋へ。扉をあけるといきなり三上さん、渚さんがいらっしゃいました。

実は、開演と同時に登場した三上寛さん、いきなり唄い出したブルージーな曲の一節に「坊や、お空をごらん♪マリア様〜」という歌詞。上村一夫の「坊や お空をごらん」を彷彿させるものでした。まさか私が来ると知っていてのことではないだろうと思いつつも、気づけば涙。楽屋で三上さんにお会いしたらとても驚いて「今日唄ったんだよ、坊や お空をごらん、って」と。はい、私もびっくりしました。



「上村さんはねぇ、酒場の止り木だったよ」とか、最後のセリフが「そんなにヤリたいの?」だったとか、三上さんに贈ったエロ色紙の話しとか。もう話しの中から父の気配が漂ってきて、ああ 気の置けない良き友でいてくださったんだな、と思いました。

久しぶりにリアルに父を思い出した夜、渋谷から自転車漕いで富ヶ谷の父の事務所があったマンション前を通り、「今日は三上寛さんに会ったよ。」と報告。いい夜。


そして昨夜、日付が変わる頃、気づけば渚ようこさんのお店「汀」 におりました。
この間の命日も偶然「汀」におりました。きっとここが上村父娘の止り木なのね。

父がいなくなっても繋がるご縁。不思議の連鎖はまだまだ続く。

ゴールデン街「汀」にて




2013年3月5日火曜日

原画展情報その3〜河村康輔

今月19日から神楽坂artdishで開催の上村一夫原画展「花の輪廻」。
昨日ブログに書いた久世さんに捧ぐ一枚のこと。
生々しい筆跡、強い色彩、妖しい目線。ヤニで汚れた額も当時のまま。
そこには久世光彦と上村一夫のいた時代が強烈に漂っています。
まるでふたりの創作のせめぎ合い。 ひょっとしたら贈り物などではなく、果たし状だったのかもしれません。

ようやく神楽坂でお披露目の機会を得たこの一枚。でも、この強烈な絵を当時のまま飾るだけでは何かバランスが悪いような気がしてきました。強烈な時代の匂いがするからこそ、何か今の人と絡めたい。絡めるべきなのではないか、と。それによって何かまた生まれてくるような。

そこで登場したのが河村康輔さん。彼とは確か去年の1月、下北沢THREEでキングジョーを通して知り合ったと思います。その時はコラージュアーティストと聞いて、なにやらカッコいいことをしている人、とイメージを固めてしまったのですが、その後、BEAMSでの展示を観たり、「ERECT Magazine」や「2ND」眺めたりしているうちにコラージュの面白さが見えてきて、その後も、大友克洋さんのGENGA展でのメインビジュアル担当されたり、根本敬さんのCDジャケット手掛けたり、SHOHEIとのコラボやら、とにかくもう多岐に渡り面白い仕事をしている。極めつけは、去年11月のアップリンクでの展示とライブコラージュ。コラージュという仕事の現場と、過去の作品を惜しげもなく公開した一日限りの展示に興奮して、その場でくどきました。デザイナーっていうとちょっとめんどくさい感じもありますが、彼は全然違う。拍子抜けするほど気さく。その姿勢が引きの強さになってるのかもしれません。彼の瞬発力と確かな腕に惚れ込み、初めて父の作品を託しました。これは本当に楽しみです。

その後も河村康輔という人を観察し続けているのですが、いまだに謎。たぶん展示の準備日には、久世・上村の時代の風を吹っ飛ばすような作品を携えて飄々とやってくるに違いありません。そのことを思うとゾクゾクするのであまり考えないようにしています。
河村康輔による上村一夫ニューワールド。どうぞお楽しみに。

河村康輔

1979年広島県生。東京在住。グラフィック・ド・ザイナー、特殊デザイナー他プラス・ワン、コラージュ・アー ティスト。 06年、根本敬氏個展『根本敬ほか/入選!ほがらかな毎日』入選。アパレルブランド、「VANDALIZE」Tシャツコラボレーション、「NADA.」の グラフィック。様々なライブ、イベント等のフライヤーを手掛ける。季刊誌「TRASH-UP!」に根本敬氏と共作で 実験アート漫画「ソレイユ・ディシプリン」を連載中。07年よりシルクスクリーンの版を使った作品、ライブシルク・プリント、貨幣価値に焦点を当てた作品 を制作開始。今まで様々な場所でコンセプトを重視した展示を行う。また、Winston Smith、KING JOE、SHOHEI等と共作、美術館、ギャラリー等で個展、グループ展に参加。2011年、Winston Smithとのコラボレーション作品集「22Idols」を発売。サンフランシスコでの個展「TOKYO POP!!」を開催する。
代表的な仕事に、「大友克洋GENGA展」メイン・ビジュアル、「Kenneth Anger マジック・ランタン・サイクル」/「SRL」DVD/「原爆スター階段」(UPLINK)デザイン、根本敬「亀の頭のスープ」カラーリング (青林工藝舎)、山田花子「改訂版 魂のアソコ」装丁/デザイン(青林工藝舎)、中原昌也「子猫が読む乱暴者日記」「待望の短篇は忘却の彼方に」装丁(共 に河出文庫)、宇川直宏/白根ゆたんぽ/弓田ヒロ、共著「RANGOON RADIO」デザイン(東京キララ社)、「ERECT Magazine」アート・ディレクション/デザイン、「TRASH MOUNTAIN VIDEO」 DVDデザイン(EPCOTT)、地引雄一「STREET KINGDOM」(K&Bパブリッシャーズ)「TOKYO STREET ROCKERS 1978-1981」(リトルモア)装丁/デザイン、等がある。
ブックデザイン、DVD・CDジャケットデザイン、広告、アパレル、イベント企画、その他無差別(無意識)に様々な媒体で活動。

2013年3月4日月曜日

原画展情報その2〜久世光彦さんに捧ぐ

今月19日から神楽坂artdishで開催の上村一夫原画展「花の輪廻」。
このタイトルは、昨年まんだらけ出版から美しい印刷で甦った「悪の華」から
引用しました。美しく罪深い花の輪廻。。。
今回の展示では、現代に甦った上村一夫と岡崎英生の究極のエロスの世界をさらに
体感していただこうと思い、この「悪の華」の美しい生原稿をぎっしり飾る予定です。

ここ数年、年に何度かお声をかけていただいて様々な原画展を開催してきましたが、
ここまでエロティックな企画は初めて。
「悪の華」の復刻が大きなきっかけになったのですが、実はその少し前に予兆のような
ことがありました。

それは2011年9月のこと、映画監督のKさんのところに上村一夫の絵があるから引き取らないか、と連絡がありました。その電話の主は演出家・久世光彦さんの元会社の方。Kさんが上村ファンと知って連絡をしてくださったそうです。 早速引き取りに行ってくださった
Kさんが目にしたのは、それはそれは凄まじい上村画。たぶん当時、可愛がってくれていた久世さんに父が贈った一枚と思われ、久世さん亡き後、事務所にひっそりと眠っていたようなのです。Kさんは、すぐに私に連絡をしてくださり、そのように巡り巡ってきた絵を家族に返してくれると仰います。Kさんならきっと大切にしてくださると思ったので、持っていていただいてもよかったのですが、お返しくださると固辞されるので、ありがたく引き取りにいったところ、確かにこれは。。。と納得。凄まじい妖気が出ておりました。色の使い方、生々しい筆跡、これは久世光彦に捧げるべくして捧げた一枚だな、と思いました。あまりの迫力に、とりあえず家の書庫に収納。しばらく寝かしていたのですが、常に頭の片隅にその絵はあって、久世光彦と上村一夫の名の下にいつか公開しなくては、と思っておりました。

そして「悪の華」からの神楽坂artdish、これはもうぴったりの企画と思い、artdishの
オーナーに相談したところ、ご快諾いただきまして今回ご披露する運びとなりました。
久世さん、一夫さん、公開してもいいよね?


これがその一枚。たぶん「悪魔のようなあいつ」の頃でしょうか。この頃、悪魔と女の絡みたくさん描いてましたから。とにかくすごい妖気なので、是非生を観にいらしてください。



上村一夫原画展「花の輪廻」@神楽坂artdish
2013年3月19日(火)~4月21日(日) 15:00~22:00(月曜休)

神楽坂artdish
東京都新宿区矢来町107番地 TEL:03-3269-7289
http://www.artdish.co.jp/g

2013年3月3日日曜日

原画展情報その1〜素敵な案内状

今月は19日(火)から神楽坂artdish、26日(火)から京都恵文社で原画展。
どちらも盛りだくさんな企画になりました。
今日から小分けにして注目点をまとめてみることに。

まず、できたてホヤホヤの案内状をご紹介。
恵文社の案内状は、栞サイズもあって楽しいです。
どちらも上村一夫の線の美しさを生かしたモノクロデザイン。
本当に素敵な仕上がりです。

こちらは19日から始まる神楽坂artdish「花の輪廻」の案内状。
迫力の大判サイズ。

こちらは26日から始まる京都恵文社「モダニスト 上村一夫の世界」の大きい方。二種。
 こちらは小さい栞サイズ。四種。
 栞として使うと超キュート。



これらの案内状、下記にて配布しております。

神楽坂artdish「花の輪廻」案内状(たぶん今週水曜以降)
まんだらけ中野店4F 上村一夫コーナー付近
高円寺vivid(ルック商店街にある古着屋さん)
ゴールデン街「汀」

恵文社「モダニスト 上村一夫の世界」案内状
 ・京都恵文社一乗寺店
  *恵文社一乗寺店では2種ずつをランダムに設置、配布中。
   会期までに上村一夫関連書籍を店頭、オンラインショップにてお買い上げの
   お客様には4種セットをお付けいたします。
   店頭でお会計の際にレジにてお申しつけていただければご用意いたします。
   オンラインショップでは以下3タイトルのいずれ下をご購入のお客様に自動的に
   同封させていただきます。

ギャラリーパライソ(大阪/心斎橋) *今週火曜以降
居酒屋「富士」(大阪/心斎橋)*今週火曜以降
神楽坂artdish *19日の「花の輪廻」初日から

皆様のお越しを心よりお待ちしております。