2015年11月19日木曜日

仕事の振り幅

よ、ようやく現在に追いついて来た日記。9月からのあれこれを遡って書くなんて今や日記というより備忘録。体調悪くてうまく出かけることが出来なかった初夏からのうっぷんがここにきて吐き出されています。TwitterやFacebookを使うようになってから、ブログの存在が薄くなってしまいましたが、 以前より自分のために書いている感じがかえって新鮮です。

昨日は弥生美術館のご担当Mさんご来訪。
(もう何度うちへ足を運んでくださったことか...)
先日、父の古くからのお友達が所蔵されていた品をお預かりしたので、お見せしました。
写真を載せたくてうずうずしますが、もう少ししてから公開します。
なかなかの珍品です!弥生美術館で展示するかもしれません。お楽しみに。

弥生美術館での展示が近づき、ここにきてあらためて上村一夫という人の仕事の幅の広さを思い知ることになりました。まるで本人が上から「あれも描いた、これも描いたよ」と教えてくれているようです。

 「上村が仕事断ってるの見たことないよ」、と前出のご友人もおっしゃっていましたので、きっとまだまだ全国津々浦々に絵を残しているんだろうなあ、と思います。
そういえば、昔ヨーロッパ旅行に行ったとき、マルセイユかどこかの港町のバーで言葉もわからないのに土地の女性達の似顔絵を描いて盛り上がったとか。どこにいても酔っぱらいのやることは同じだなあ。

いかがわしいヨーロッパ紀行。
 写真提供:Paoloさん


2015年11月16日月曜日

アニメ「ジャックと豆の木」

小学生の頃、パパが犬の声を演じているから、と、映画館に母と観に行った「ジャックと豆の木」。上村一夫が声優として担当したのは、主人公ジャックの相棒・犬のグロスビーでした。
「ワゥ」とか「ウォン」しか言わないので序盤はよくわからなかったけれど、後半で突如人間の言葉で歌い出したグロスビー!(それも演歌!?まるまる一曲歌い上げた!)
「パパ、なにやってんだろう、漫画家なのに」と不思議に思った子供の頃。

歌うグロスビー。
さえないけど味のあるいいヤツで、だんだん上村一夫と重なってきます。


その後、大人になってから阿久悠さんの息子・太郎くんと仲良くなって、実は「ジャックと豆の木」は阿久さんが音楽を担当していたと知り納得。
それにしても、本当に頼まれたら断らない人だったんだなあ、と思いました。

その「ジャックと豆の木」(1974年公開)がなんとDVDで甦りました。
物語は有名なイギリス民話ですが、キャストもスタッフもすごい。1974年のにおいがプンプンします。当時としては珍しいフルアニメーションのミュージカル映画、びっくりしたのは登場人物ごとに担当アニメーターがいるという方法。絵はディズニー風なんだけど、1970年代の日本の芸能界の匂いがするという面白い映画です。


たぶんこれが「ジャックと豆の木」録音風景。
楽しそう!

2015年11月14日土曜日

クラインブルーにて

久しぶりに神保町クラインブルーへ。
現在開催中の『世界にひとつだけの旅〜北阪昌人・絵日記展』を眺めつつ、ホットココアを。

この北阪さん、本業はラジオドラマの脚本家さんだそうですが、なんとも味のある絵を描かれます。旅先でこんな風に絵日記を描くなんてきっと素敵な人物に違いありません。せっかちな私は旅に行っても落ち着きがないので、もったいないことしたなあ、と今さらながら思います。デジカメで綺麗な写真が誰でも撮れてしまう昨今、ぬくもりを感じる絵日記っていいですね。会場には展示された絵のほか、北阪さんが旅先で描いた実際の絵日記を手に取って見ることができます。クラインブルーの美味しいコーヒーを飲みながら、行ったことがある国、行ってみたい街の絵日記を眺めるのは楽しい時間でした。

*クラインブルーさんに弥生美術館のチラシ置いて頂いてます。
 限定15枚くらい。割引券が付いているので、よかったらお持ちください。

花村えい子先生とHaruko発表会

花村えい子先生が描く可憐な少女たち。
このところ気になって気になって。

きっかけは同級生が花村先生の絵がイメージヴィジュアルの化粧品『Haruko』の企画に携わっていたから。以前からあの頃の少女漫画の新鮮さを感じていただけに興味津々。

先日はその『Haruko』の発表会があったので、お邪魔してきました。
『Haruko』は女の子のはじめてのお化粧のために生まれた可愛い化粧品たち。
思えば自分も小学生の頃、お化粧してみたくて、母が留守の時になど化粧台をこっそり開けてみたものでした。
今のガールズはこんなに可愛いコスメがあって羨ましいかぎり。

はじめてのコスメとあって成分もやさしいものばかり。
大人の女も思わず使いたくなってしまいましたよ。

 発表会が開かれたのは港区のとある一軒家。一階のリビングでは『Haruko』のお披露目と、それを祝うリアルHarukoちゃんやそのお友達がパーティーを開いている、という演出。凝ってる。。。

そして階段を上ると、なんと花村先生の原画が展示されているではないですか!
その鮮やかさは、40年以上前のものとは思えぬものでした。

こ、こんなにたくさん!

貴重な当時の本やグッズも!

見れば見るほど可愛い!

これは!大好きな一冊『花村えい子のハッピーガールズコレクション』の表紙の原画!

あまりの可愛さにため息をついていたら、同級生が「花村先生も別室にいらっしゃるよ」と紹介してくれました。
「上村さんとは何かのパーティーでお会いしましたよ。」と優しくお話してくださいました。感激。

今も花びらのように可憐な花村えい子先生。

壁には懐かしいお写真も。

貴重なお話をたくさんお聞きすることができました。
花村えい子先生、ありがとうございました。


2015年11月13日金曜日

手塚眞さんのトークショー

文化の日の11月3日は、手塚治虫先生のお誕生日で、漫画の日ということで、手塚先生のご子息・手塚眞さんがトークショーを開催されると聞き、久しぶりに江古田まで。

眞さんには毎年漫画家二世会でお会いするのですが、父上に負けず劣らずの存在感にいつも少しだけ緊張します。この機会に、手塚先生のことも眞さんのことも知りたいし、来年は自分も上村一夫のことを話さなくてはならないし、勉強させていただく気持ちで参加しました。

オープニングは現在O.A中のアニメ「ヤング ブラック・ジャック」のエンディングテーマを歌う焚吐さんのミニライブ、続いて眞さんのトークショーが始まるのですが、司会なし。お一人でお話になる。さすがです。

前半は手塚先生のお話、後半は眞さんのお仕事のお話など。
ヴィジュアリストというだけあって、懐かしい写真や映像を自らMacを操りつつご紹介してくださいます。すごい。
当時の虫プロの写真や、親子の微笑ましい写真にはグッと感情移入してしまった。
手塚家のどこまでも辿れるという系譜の話も興味深い。

後半には眞さんが高校生の時に制作したホラームービーを8mmで披露してくださいました。学生が作った低予算の映画とは思ってはいても、妙に引き込まれ、どこか洒落ています。

威風堂々、エンターテイナーの眞さんの楽しいお話であっという間に時は過ぎました。
貴重な資料と映像はさすが手塚家。行ってよかった!


手塚治虫先生の遺伝子解析プロジェクトのCMに出演する眞さん。
ジェネシスヘルスケアのキットで遺伝子検査は誰でもできるそうです。




バロン吉元先生

最近、気になって仕方ない人物といえば、
バロン吉元先生! 
バロン先生といえば、「柔侠伝」シリーズや「どん亀野郎」などで有名ですが、1985年からは画家・「龍まんじ」として精力的にご活躍中です。
きっかけは、バロン先生の娘さんのエミリーちゃんが上村一夫原画展を観に来てくださったことから。以来、知れば知るほど面白い、個性溢れるバロン一家に魅せられ続けている私。


そんなバロン吉元先生が、あがた森魚さんのライブにトークゲストとして出演されると聞き、代官山まで駆けつけました!
あがたさんとバロン先生の接点は存じ上げなかったのですが、お話を聞くうちにお二人が共鳴することに納得。過激なココだけの話も連発で、上村一夫もかなり滅茶苦茶な人だと思っていましたが、バロン先生はそれ以上。(たぶん)

その後、あがたさんの歌が始まり、「赤色エレジー」や「昭和柔侠伝の唄(最后のダンスステップ)を堪能。あがたさんの歌声は、この世のものとは思えぬ瞬間があってゾワゾワと鳥肌が立ちました。

バロン先生とあがたさんの貴重なショット。
この日のバロン先生いでたちはテンガロンハットに2丁拳銃。
白を基調としたウェスタンスタイルに痺れました。

お会いするといつも上村一夫との楽しい思い出話をしてくださる優しいバロン先生。
来年の弥生美術館の上村一夫展開催中に、バロン先生も展覧会を予定されているとのこと。これは是非ハシゴしてください!
バロン先生のお話は楽しくてとても貴重なので、ご本人出演のイベントなどこれからも沢山開催してほしいです。

そして、バロン一家は女性陣も魅力的。奥様のれい花さんはストリングアートという美しい刺繍の作品を作り出すゴージャスな女性です。
刺繍って美しい!と思わずにはいられない美しい作品の数々、なんといってもご主人であるバロン先生の作品とコラボレーションしているところがまた美しい。愛娘のエミリーちゃんもアーティスト活動をされているのですが、ご両親のお仕事もしっかりサポートしていて、いつも会場では家族愛のお裾分けをしていただいています。

先日はれい花さんのストリングアートの内覧会が開かれるというので緊張しつつ帝国ホテルまで。れい花さんの作品を堪能しました。

作品の前で。華やかなれい花さん。

 これから息を吹き込まれる糸たち。

モノトーンの作品も素敵でした。




2015年11月12日木曜日

SARAVAHで渚さん


 
 *写真は渚さんのHPから転載致しました。



もう何回渚さんの歌を聴きに来ているのか。わからないけれど、とにかく渚ようこさんのステージに飽きることはない。それは渚ようこさんの歌の力と、自ら作り上げるステージと、渚さんを愛してやまない人達の愛でいつも溢れているからかな。単純に渚ようこという女性が好きなだけかもしれないけれど。


10月23日はいつものSARAVAH東京でライブ。演奏は女横町痺れ腰、踊り子さんはデリシャスウィートスのチャーマアさんと佐藤梟さん。まったくブレがない素敵なステージでした。

いつもエンディングあたりで歌われる「哀愁のロカビリアン」を聴くとたいがい泣けてきくる。この歌の作詞は晩年の阿久悠さん。最後の最後に昭和の大作詞家が渚さんのために書いた歌。そこには歌謡曲への思いが詰まっているような気がします。ずっと歌い続けて、沢山の人に聴いて欲しい一曲。

そんな渚さんと先日、阿久悠さんのお墓参りへ行ってきました。気持ちが洗われるような、とてもいい時間でした。



曽我部さん新世界

来年の弥生美術館では、あの曽我部恵一さんが歌いにきてくださるので、気分上がってます。この機会に曽我部さんを見倒すくらいの勢いで、10月は六本木・新世界まで自転車を走らせました。六本木と曽我部さん?曽我部さんと言えばシモキタだけど。なんてナンセンス。曽我部さんはどこでも曽我部さんなのでした。この日は一番手がnever young beach。そしてこのイベントは新世界の5周年記念ということで、ミラーボーラーが空間をキラキラにしていました。お目当ての曽我部さんもキラキラ!(もちろんキラキラ!も歌ってくれました)その歌声にだんだん乗せられて、気付けばテレフォンラブをみんなで熱唱@西麻布。あ〜来年の弥生美術館では上村一夫の絵をバックにどんな歌をうたってくださるのか。待ちきれない!

ミラーボールと曽我部さんとnever young beach。
セッションで髙田渡「自転車に乗って」を。素敵。

2015年11月11日水曜日

秋の鑑賞会・りえ子さんの作品

9月のある日、渋谷のギャラリー・アツコバルーで、初めて赤塚りえ子さんの作品を拝見しました。りえ子さんは言わずと知れた赤塚不二夫先生の娘さんで、フジオ・プロの社長さん。実際お会いするととてもキュートな女性です。そんなりえ子さんは現代美術の作家でもあり、いつかお仕事拝見したいと思っていたところ、アツコバルーで「絶対のいま〜なぜ・いま・ZENと映像なのか?」に参加される と聞きつけました。薄暗い会場にはそれぞれのアーティストの強い個性からなる「時間」の概念が渦巻き、一瞬たじろぐのですが、お目当てのりえ子さんの作品 を目にした途端、感情は愛に溢れ、泣き笑いしてしまうような感じに。りえ子さんとは一度しかお会いしたことありませんが、素晴らしいアーティストなんだな あ、と感動しました。

りえ子さんの作品。
仏壇の中に蓮の花が光っている。
中央の小さなビジョンには今は亡きお母様がずっと踊り続けて…。


秋の鑑賞会・ビリケンギャラリー

実は、今年の夏は体調崩して引きこもってました。
秋になって半分くらい持ち直し、最近は動ける範囲で出かけるようになりました。

9月は、大好きな近藤ようこ先生の原画展「物語る絵」を青山のビリケンギャラリーで。「五色の舟」を読んで以来、近藤先生の漫画はいつも傍らに置くようになりました。
今回もそれはそれは素敵で。特に「桜の森の満開の下」 というタイトルが付いた原画が素晴らしかった。眺めていると桜の香りが漂ってくるような。美しい毒を感じるところも好きです。

この日は未読だった「移り気本気」を購入。

 上の写真の左にあるポストカードは、近藤ようこ先生の次に原画展を開催された、つげ忠男先生の原画展「成り行き」のもの。
つげ忠男展、今回もガツンとカッコよかった。ビリケンさんで立て続けにいいもの観させていただきました。

いつも男になった気で読むつげ忠男作品。


いつか行ってみたいつげ忠男先生が営む(いまは息子さんに委ねているらしい)ジーンズショップ「JOKER」。ずーっと気になっています。