2013年3月7日木曜日

上村一夫生誕73年

今日は父の誕生日。1986年に亡くなってから二十七回目の誕生日。
生きていたら73歳。どんな爺さんになっていたのか。
若くして逝った人の老後を想像するのはとても難しい。

こんな感じか。


先日、昭和歌謡の歌姫・渚ようこさんが渋さ知らズオーケストラのライブに出演される
というので観に行ってきました。
人と音の圧に圧倒されながらも、個々の音に向かう姿勢にクラクラ。
そしてゲストヴォーカルの豪華なこと!三上寛・遠藤ミチロウ・Sandii・Keyco・坂本美雨・そして渚ようこ。身体も心も否応なしに動いてしまう素敵な夜でした。
終演後、バッタリ遭遇した面影ラッキーホールのアッキーと楽屋へ。扉をあけるといきなり三上さん、渚さんがいらっしゃいました。

実は、開演と同時に登場した三上寛さん、いきなり唄い出したブルージーな曲の一節に「坊や、お空をごらん♪マリア様〜」という歌詞。上村一夫の「坊や お空をごらん」を彷彿させるものでした。まさか私が来ると知っていてのことではないだろうと思いつつも、気づけば涙。楽屋で三上さんにお会いしたらとても驚いて「今日唄ったんだよ、坊や お空をごらん、って」と。はい、私もびっくりしました。



「上村さんはねぇ、酒場の止り木だったよ」とか、最後のセリフが「そんなにヤリたいの?」だったとか、三上さんに贈ったエロ色紙の話しとか。もう話しの中から父の気配が漂ってきて、ああ 気の置けない良き友でいてくださったんだな、と思いました。

久しぶりにリアルに父を思い出した夜、渋谷から自転車漕いで富ヶ谷の父の事務所があったマンション前を通り、「今日は三上寛さんに会ったよ。」と報告。いい夜。


そして昨夜、日付が変わる頃、気づけば渚ようこさんのお店「汀」 におりました。
この間の命日も偶然「汀」におりました。きっとここが上村父娘の止り木なのね。

父がいなくなっても繋がるご縁。不思議の連鎖はまだまだ続く。

ゴールデン街「汀」にて




2013年3月5日火曜日

原画展情報その3〜河村康輔

今月19日から神楽坂artdishで開催の上村一夫原画展「花の輪廻」。
昨日ブログに書いた久世さんに捧ぐ一枚のこと。
生々しい筆跡、強い色彩、妖しい目線。ヤニで汚れた額も当時のまま。
そこには久世光彦と上村一夫のいた時代が強烈に漂っています。
まるでふたりの創作のせめぎ合い。 ひょっとしたら贈り物などではなく、果たし状だったのかもしれません。

ようやく神楽坂でお披露目の機会を得たこの一枚。でも、この強烈な絵を当時のまま飾るだけでは何かバランスが悪いような気がしてきました。強烈な時代の匂いがするからこそ、何か今の人と絡めたい。絡めるべきなのではないか、と。それによって何かまた生まれてくるような。

そこで登場したのが河村康輔さん。彼とは確か去年の1月、下北沢THREEでキングジョーを通して知り合ったと思います。その時はコラージュアーティストと聞いて、なにやらカッコいいことをしている人、とイメージを固めてしまったのですが、その後、BEAMSでの展示を観たり、「ERECT Magazine」や「2ND」眺めたりしているうちにコラージュの面白さが見えてきて、その後も、大友克洋さんのGENGA展でのメインビジュアル担当されたり、根本敬さんのCDジャケット手掛けたり、SHOHEIとのコラボやら、とにかくもう多岐に渡り面白い仕事をしている。極めつけは、去年11月のアップリンクでの展示とライブコラージュ。コラージュという仕事の現場と、過去の作品を惜しげもなく公開した一日限りの展示に興奮して、その場でくどきました。デザイナーっていうとちょっとめんどくさい感じもありますが、彼は全然違う。拍子抜けするほど気さく。その姿勢が引きの強さになってるのかもしれません。彼の瞬発力と確かな腕に惚れ込み、初めて父の作品を託しました。これは本当に楽しみです。

その後も河村康輔という人を観察し続けているのですが、いまだに謎。たぶん展示の準備日には、久世・上村の時代の風を吹っ飛ばすような作品を携えて飄々とやってくるに違いありません。そのことを思うとゾクゾクするのであまり考えないようにしています。
河村康輔による上村一夫ニューワールド。どうぞお楽しみに。

河村康輔

1979年広島県生。東京在住。グラフィック・ド・ザイナー、特殊デザイナー他プラス・ワン、コラージュ・アー ティスト。 06年、根本敬氏個展『根本敬ほか/入選!ほがらかな毎日』入選。アパレルブランド、「VANDALIZE」Tシャツコラボレーション、「NADA.」の グラフィック。様々なライブ、イベント等のフライヤーを手掛ける。季刊誌「TRASH-UP!」に根本敬氏と共作で 実験アート漫画「ソレイユ・ディシプリン」を連載中。07年よりシルクスクリーンの版を使った作品、ライブシルク・プリント、貨幣価値に焦点を当てた作品 を制作開始。今まで様々な場所でコンセプトを重視した展示を行う。また、Winston Smith、KING JOE、SHOHEI等と共作、美術館、ギャラリー等で個展、グループ展に参加。2011年、Winston Smithとのコラボレーション作品集「22Idols」を発売。サンフランシスコでの個展「TOKYO POP!!」を開催する。
代表的な仕事に、「大友克洋GENGA展」メイン・ビジュアル、「Kenneth Anger マジック・ランタン・サイクル」/「SRL」DVD/「原爆スター階段」(UPLINK)デザイン、根本敬「亀の頭のスープ」カラーリング (青林工藝舎)、山田花子「改訂版 魂のアソコ」装丁/デザイン(青林工藝舎)、中原昌也「子猫が読む乱暴者日記」「待望の短篇は忘却の彼方に」装丁(共 に河出文庫)、宇川直宏/白根ゆたんぽ/弓田ヒロ、共著「RANGOON RADIO」デザイン(東京キララ社)、「ERECT Magazine」アート・ディレクション/デザイン、「TRASH MOUNTAIN VIDEO」 DVDデザイン(EPCOTT)、地引雄一「STREET KINGDOM」(K&Bパブリッシャーズ)「TOKYO STREET ROCKERS 1978-1981」(リトルモア)装丁/デザイン、等がある。
ブックデザイン、DVD・CDジャケットデザイン、広告、アパレル、イベント企画、その他無差別(無意識)に様々な媒体で活動。

2013年3月4日月曜日

原画展情報その2〜久世光彦さんに捧ぐ

今月19日から神楽坂artdishで開催の上村一夫原画展「花の輪廻」。
このタイトルは、昨年まんだらけ出版から美しい印刷で甦った「悪の華」から
引用しました。美しく罪深い花の輪廻。。。
今回の展示では、現代に甦った上村一夫と岡崎英生の究極のエロスの世界をさらに
体感していただこうと思い、この「悪の華」の美しい生原稿をぎっしり飾る予定です。

ここ数年、年に何度かお声をかけていただいて様々な原画展を開催してきましたが、
ここまでエロティックな企画は初めて。
「悪の華」の復刻が大きなきっかけになったのですが、実はその少し前に予兆のような
ことがありました。

それは2011年9月のこと、映画監督のKさんのところに上村一夫の絵があるから引き取らないか、と連絡がありました。その電話の主は演出家・久世光彦さんの元会社の方。Kさんが上村ファンと知って連絡をしてくださったそうです。 早速引き取りに行ってくださった
Kさんが目にしたのは、それはそれは凄まじい上村画。たぶん当時、可愛がってくれていた久世さんに父が贈った一枚と思われ、久世さん亡き後、事務所にひっそりと眠っていたようなのです。Kさんは、すぐに私に連絡をしてくださり、そのように巡り巡ってきた絵を家族に返してくれると仰います。Kさんならきっと大切にしてくださると思ったので、持っていていただいてもよかったのですが、お返しくださると固辞されるので、ありがたく引き取りにいったところ、確かにこれは。。。と納得。凄まじい妖気が出ておりました。色の使い方、生々しい筆跡、これは久世光彦に捧げるべくして捧げた一枚だな、と思いました。あまりの迫力に、とりあえず家の書庫に収納。しばらく寝かしていたのですが、常に頭の片隅にその絵はあって、久世光彦と上村一夫の名の下にいつか公開しなくては、と思っておりました。

そして「悪の華」からの神楽坂artdish、これはもうぴったりの企画と思い、artdishの
オーナーに相談したところ、ご快諾いただきまして今回ご披露する運びとなりました。
久世さん、一夫さん、公開してもいいよね?


これがその一枚。たぶん「悪魔のようなあいつ」の頃でしょうか。この頃、悪魔と女の絡みたくさん描いてましたから。とにかくすごい妖気なので、是非生を観にいらしてください。



上村一夫原画展「花の輪廻」@神楽坂artdish
2013年3月19日(火)~4月21日(日) 15:00~22:00(月曜休)

神楽坂artdish
東京都新宿区矢来町107番地 TEL:03-3269-7289
http://www.artdish.co.jp/g

2013年3月3日日曜日

原画展情報その1〜素敵な案内状

今月は19日(火)から神楽坂artdish、26日(火)から京都恵文社で原画展。
どちらも盛りだくさんな企画になりました。
今日から小分けにして注目点をまとめてみることに。

まず、できたてホヤホヤの案内状をご紹介。
恵文社の案内状は、栞サイズもあって楽しいです。
どちらも上村一夫の線の美しさを生かしたモノクロデザイン。
本当に素敵な仕上がりです。

こちらは19日から始まる神楽坂artdish「花の輪廻」の案内状。
迫力の大判サイズ。

こちらは26日から始まる京都恵文社「モダニスト 上村一夫の世界」の大きい方。二種。
 こちらは小さい栞サイズ。四種。
 栞として使うと超キュート。



これらの案内状、下記にて配布しております。

神楽坂artdish「花の輪廻」案内状(たぶん今週水曜以降)
まんだらけ中野店4F 上村一夫コーナー付近
高円寺vivid(ルック商店街にある古着屋さん)
ゴールデン街「汀」

恵文社「モダニスト 上村一夫の世界」案内状
 ・京都恵文社一乗寺店
  *恵文社一乗寺店では2種ずつをランダムに設置、配布中。
   会期までに上村一夫関連書籍を店頭、オンラインショップにてお買い上げの
   お客様には4種セットをお付けいたします。
   店頭でお会計の際にレジにてお申しつけていただければご用意いたします。
   オンラインショップでは以下3タイトルのいずれ下をご購入のお客様に自動的に
   同封させていただきます。

ギャラリーパライソ(大阪/心斎橋) *今週火曜以降
居酒屋「富士」(大阪/心斎橋)*今週火曜以降
神楽坂artdish *19日の「花の輪廻」初日から

皆様のお越しを心よりお待ちしております。



2013年2月20日水曜日

上村一夫原画展「花の輪廻」@神楽坂artdish

梅の花ほころぶ頃、ようやく東京での原画展示のお知らせの運びとなりました。
3月19日から神楽坂artdishにて、「花の輪廻」と題した展示です。
まんだらけ出版から「悪の華」が復刻され、上村一夫と岡崎英生コンビの
エロスの世界が再評価されるなか、その美しい生原稿をご披露したいという思いが
強くなり、この度artdishさんのご協力のもと、実現することになりました。

思えば昨年秋のこと、美しく印刷し直していただいた 「悪の華」を何度も読み直して
いたところに、artdishの美人オーナーからメイル。
「女の情念の行き着く先は、生命が誕生したり、絶えたりする、春になりきらない
まだ寒いけどもう少しで春の訪れをと待ちわびる、その女の恋がどう立ち行くかの
揺れ動く、そんな狭間が、上村女には似合う。ちょっと耐え忍びの時期の方がより
淫靡に美しく見えるから。」
というすばらしい理由で2月か3月の展示を提案いただきました。
これはもう上村的春画をご披露させていただこう、とがぜんやる気になって神楽坂へ。
何度も足を運ぶうち、春を前に話しに花が咲き乱れ、頭がクラクラするほど
盛りだくさんな企画展になりました。

先ほどホームページに情報掲載しましたので、ご覧頂けたら幸いです。
ブログでも随時詳細アップして参ります。


上村一夫原画展「花の輪廻」@神楽坂artdish
2013年3月19日(火)~4月21日(日) 15:00~22:00(月曜休)

生涯女を描き続けた漫画家・上村一夫の1975年の作品『悪の華』(原作:岡崎英生)
が昨年10月まんだらけ出版から復刻されました。現代に投下された上村エロスの放つ
禁断の美しさ。本展ではその迫力の生原稿や挿絵画家としても多くの作品を残した
上村一夫のエロティックな原画の他、盟友でもあった演出家・久世光彦に贈った究極の一枚も特別に公開いたします。そして、新しい試みとしてコラージュアーティスト・
河村康輔が上村一夫の世界を大胆にコラージュ!異次元のエロスを展開します。
龍 天に登る、朧げで美しくも強い季節。上村一夫の線をお楽しみください。


神楽坂artdish
東京都新宿区矢来町107番地 TEL:03-3269-7289
http://www.artdish.co.jp/g

2013年2月10日日曜日

monoスペシャル「古着屋さん」

2月12日発売のmonoスペシャル「古着屋さん」で
「上村一夫と昭和のドレス」 という特集を組んでいただきました。


熱心な上村一夫ファンでいてくださる高円寺の古着屋さん「vivid」の
オーナー佐々木拓馬さんと対談させていただいております。

ひょんな出会いからお店に遊びに行くようになり、いつも上村一夫話で
盛り上がっていたところにこのお話。 
佐々木さんとお話していると、上村作品に登場した女性達が生き生きと
感じられるのです。

上村一夫が描いた女性達の装いから、時代が見えてくる。
今回対談させていただいて、あらためて面白いテーマだな、と思いました。

書店で見かけたら是非お手に取ってみてください。


2013年1月11日金曜日

モダニスト 上村一夫の世界

今日で27回目の命日を迎える日に、嬉しい個展のお知らせです。
京都の素敵な書店、恵文社内ギャラリーアンフェールにて、
「モダニスト 上村一夫の世界」展が開催されます。
上村一夫のポップカルチャーの先駆者としての、また、グラフィックアーティスト的な
側面にスポットを当てた展示になる予定。
また、展示に併せ、ミニマガジンも製作中!
どちらも今までにない展開になりそうで楽しみです。
どうぞご期待ください。
恵文社ブログ:モダニスト上村一夫の世界
特設ブログ:上村一夫 愛の世界



会期:2013年3月26日(火)~4月8日(月) 
   10:00 - 22:00(最終日のみ 18:00まで)
場所:恵文社一乗寺店内 ギャラリー・アンフェール
(京都市左京区一乗寺払殿町10  Tel & Fax 075-711-5919)
 http://www.keibunsha-books.com/