2014年11月11日火曜日

禁断の特典『エロトピア1974』

ついに出来上がってきてしまいました!
上村一夫のまんだらけビブリオテークシリーズ特典『エロトピア1974』が!!

ご紹介の前に、、、お届けが遅れてしまったことをお詫び申し上げます。
大変お待たせして申し訳ございませんでした。

ということで、春の予定が秋になり、冬の手前にようやく完成したこの豪華特典。
ヤバいヤバいと思いつつ、その仕上がりを何より楽しみにしていました。
完成品はその想像を遥かに超えています。
ご覧下さいっ!


 その禁断の一冊の内容は。。。

「淫婦変幻」(岡崎英生・作)
「煉獄の少女」(岡崎英生・作)
「陰獣の湖」

以上三作品が収録されています。これは「悪の華」連載直前の1974年、同じ『漫画エロトピア』誌に発表された作品です。
単行本未収録です。レアです。もうドロドロの世界です。

そして、巻末には、当時の「漫画エロトピア」担当編集者・尾原和久氏と、上村一夫の原作者として数々の名作を生んだ 岡崎英生氏の豪華対談を収録!
上村一夫のこと、当時の劇画シーンの面白いエピソードが満載です。

これ、絶対もらったほうがいいです。
シール2枚貼ってまんだらけに送るだけです。
本をお買い上げいただいて以降、お忘れになっている方がいらしたら、この機会に是非応募してみてください。全員プレゼントです!
応募要項はコチラ







2014年9月12日金曜日

浮世絵シリーズ、その後。

秋の夜長に、こんなものを整理しています。
上村一夫が1974年から1978年までスポーツニッポンの日曜版で連載していた
「浮世絵シリーズ」の記事です。
現代の浮世絵のごとく風俗や女性を気ままに綴った短冊のような形のエッセイとイラストでした。
この時期の上村一夫が描いた女性たちは表情豊かでとても美しく、生き生きとしています。
そこにちょっとコミカルだったり哀愁が漂っていたりする本人のエッセイが組み合わされ、なかなか面白い読み物になっています。周りの上村マニアックスの面々にもすこぶる評判が良いので、いつか本にまとめてみたいと以前から思っているシリーズです。
ただ、すべての資料が残っているわけではないので、5年分の記事をどうにかして探し出してデータにしなければなりません。
どんな形で復刻するのがよいのか、いまだ手探りの日々です。
今日はその中から一部ご紹介してみます。



これは第一回目と思われる記事。
1974年2月17日の新聞です。
現存する新聞の切り抜きは劣化してこんな色に。

以下、文章の部分
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 パリへ行ってきたなんて女の子は、ざらにいる時代である。この娘も花の都でワインの味を覚えて帰ってきた。ひと晩に1本のワインボトルを飲みほしてしまうこともたびたびある。ただし飲みほす頃にはもう、へべれけの酒乱に変わり、自分の部屋に招いて相手をさせていたボーイフレンドにそのワインの空ビンを投げつける。「恐ろしいな」と言うと「ワインのビンってがん丈でなかなか割れないのよ」と答えた。彼女の部屋にはもうワインの空きビンが60本もたまっているそうだ。その酒乱ぶりに恐れをなして逃げ帰った恋人の数も六十人目ということか。
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と、そんな上村マンガに登場してきそうな女性のことが書いてありました。
さて、次は劇画家の日常から。1974年4月21日の新聞です。


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劇画稼業なんて朝から晩まで机に向かい、墨汁のすえたにおいとペン先の鋭利な冷たさに身も心も削られていく不健康なる肉体労働である。必然的にストレスもたまる。だから酒を飲む。飲んでも飲んでもちっとも酔やあしない。足はいつのまにか新宿の裏路に迷い込み、オカマにハントされて怪しげな店へ連れ込まれる。オカマとは図式のようなもので、女のしぐさの端々を象徴的に分析し己の動作に加え込んだ同性であり、そんなパターン化されたしぐさに囲まれて、はじめて酔いつぶれることのできる私も、やはり図式化された日常を送っているからであろう。
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劇画家の哀愁。。。




この浮世絵シリーズ、おそろしいことに家族ネタもたびたび飛び出します。

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今の子供等は自分達はあと2、3年くらいしか生きることが出来ないと信じている。マスコミがあげて日本沈没を吹聴したためか、それとも自分らの霊感で感じとったことなのか。とにかくかわいそうな子供達である。私の幼少期は多少の飢えはあったけれど、やがていつかはおいしいものを腹一パイ食える日が来ると信じただけでも明日への希望があった。私の九歳になる娘の好物はイモとトウモロコシである。私は自分が、幼少期に食い飽きているそれを見るのもきらいだけれど、TVを見つつ無表情に食べている娘を見ているのもなんともやりきれないものだ。
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えっ、イモとトウモロコシ...そんな子供でしたか、わたし。。



次は、1978年2月5日の新聞より。
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映画「未知との遭遇」を見た。年に二、三度しか、それも場末の映画館にしか行かない私には、大劇場の、大スクリーンに、大音響で映し出された大UFOに、胸が熱くなった。映画は「大きい」だけで十分よろしい。今の子供たち、とくに昭和四十年生まれの子供は、自分たちを宇宙人だと信じ込んでいる。私の娘もそのひとりだ。それも「親離れ」「親不信」の表れだろうし、そう言われてみると何となく娘が宇宙人に見えてくる。「未知との遭遇」の試写会後、雑誌の編集者と待ち合わせている酒場へ出向いたら、先に着いていた編集者が私の顔を見るなり「泣いていたそうですね」とからかいやがった。誰かが電話で知らせたらしい。画面を見ずに他人の顔を見に映画館へ来るヤツこそ宇宙人だ。
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SF好きな昭和の絵師でした。



最後はちょっとぐっときた編。1978年1月8日の新聞です。
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食っちゃあ寝、起きちゃあ食いの正月だった。こんなの初めてだ。去年までは二日も家にいたら、もう落ち着かなくなり、街へ出るか、知人宅を訪れるかしたものだったが…。体力の衰えも感じない、借家住まいは住み心地のよいわけでもない。なぜだろうと考えたら、それは娘のせいだった。娘が台所に立って、洗いものをしている姿をかい間見たとき、これはもう使えると、以後、ビール、水割り、ロックにつまみと、思いのまま。家内は他人で用も頼みにくいけれど、子供とは以心伝心。関白の座は妻ではなく、子供が請けてくれるものだと亭主は知った。一年間ろくに顔もあわすことが出来ない親子だからこそ、娘の成長に目を見張り、そのありがたさを知ることができるのだと、どっかりコタツにへびりついたまま、テレビのチャンネルがえの命令を飛ばす父は、娘にお年玉をやるのを忘れていた。
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上村一夫当時38歳、愛しいダメ親父でありました。




2014年8月30日土曜日

いろいろ発掘の巻

昨晩、Eテレの「ニッポン戦後サブカルチャー史」で特集していた
「雑誌ワンダーランド 70年代」、今まさに古い雑誌の整理をしている最中なので
なんともタイムリー!残念ながらヤンコミは登場しませんでしたが。。。

個人的に好きなのは『平凡パンチ』の表紙を飾っていた大橋歩さんのイラスト。
いま見ても実にカッコイイ。



70年代は劇画ブームで面白い劇画雑誌が次々と創刊されていましたが、
その中でも「タッチ」はひときわ目を引きます。
上村作品の原作者でも有名な岡崎英生さんが少年画報社を退社されてから
お仲間と作った幻の月刊誌。表紙は上村一夫画のマリリンの号。



こちらは、サンデー毎日増刊号の「劇画&マンガ」。豪華!
こんなに面白い漫画家がたくさんいたんだなあ、とあらためて思います。
いまこの雑誌のシリーズまるまる復刻したらすごく面白いのではないでしょうか。





そんなこんなで、今日も古い雑誌に埋もれつつ。。。
ついに発見しました!上村一夫のギャグ漫画!
ちょっと写真ボケちゃいましたが、どうやら『どんっ 』というタイトル。
(カスタムコミック・1981年8月号に掲載)


今の時代ならゆるキャラになっていたのではないかと思われる
可愛らしいスペルマ君のお話です。(ならないか)



はたまた、こちらは衝撃のSF作品『原宿888』。平凡パンチの888号を記念して描かれた短編です。昨日、世田谷文学館で「日本SF展」を観ただけに、反応してしまいました。
なんと真ん中のおっぱいから卵産まれます。



短編で秀作も。
「小春情炎」(原作:東 史郎)。週刊漫画ジョー'78掲載。


「やさしい女」 1973年の劇画ゲンダイ掲載。


どちらもいつかどこかで発表したい短編です。


最後に、こちらは上村一夫絶筆と思われる作品『ヒットラーのワイン』。
原稿が残っていないので未読でしたが、ようやく読むことができました。


以前からどんな話なんだろう、と思っていましたが、意外にも冒頭から実にリアルな上村一夫本人と思われる人物が登場。実体験を置き換えたお話かな。


作中に45歳にして男は終わっていた、というようなセリフ。
うなずける気がします。(精神的にも肉体的も老成した人でしたから)






オマケ
週刊漫画サンデーの「劇画プロダクション拝見」のページ。
1972年だから「同棲時代」で忙しくなり始めた頃でしょうか。
本人、恐ろしく似てるし。(絵と文:西沢勇司氏)


事務所には小さい頃何度か遊びに行ったことがあるけれど、なんだかむさ苦しくて慌ただしくて落ち着かなかった記憶が。

70年代を駆け抜けた漫画家の匂いがプーンと漂ってくるような夏の終わりの一日でした。







2014年8月17日日曜日

白い光の夏まつり

上村作品愛好家の方々には、8月のこの頃になると「関東平野」が読みたくなる、
という方が多いそうで。




季節を感じて、無性に読みたくなる漫画っていいですね。


お盆明け、
今日はなかなか片付かないままの雑誌の整理を。
昔の雑誌がおもしろ過ぎて...つい読んでしまいます。

「平凡」とか「明星」とか、「GORO」、「週刊女性」など、
グラビア誌や女性誌を中心に整理してみました。





これは1970年9月号の「平凡」に掲載されていた「ガラスの部屋」。
当時公開されていたイタリア映画「ガラスの部屋」と劇画のコラボレーションだそうで。


劇画ロードショー!写真が組み込まれています!


あと、ガラスつながりで「ブロンディ/ガラスの心(ハート) 」


これは1980年の「サウンドレコパル」に掲載されていました。
他の号ではリンダ・ロンシュタットの話も描いていたり、
上村一夫と洋楽。おもしろかったです。

こんな風に単発で描いていた掲載誌が今までは手元になかったので、
とても嬉しく、また発見もたくさんあります。

資料として雑誌を沢山送ってくださった上村ファンのO様に感謝。

いつか皆様にもご覧頂きたく。











2014年8月15日金曜日

夏の一日


残暑お見舞い申し上げます





昨日は弥生美術館「村岡花子と『赤毛のアン」の世界展』を鑑賞、
NHKの朝ドラで盛り上がっているだけあって、大盛況でした。
貴重な資料の数々に時を忘れてしまいます。
ドラマにはまっている方は必見ですね。

http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yayoi/exhibition/now.html


そして毎度夢二に癒され...


最近は本郷でほっこりします。


弥生美術館に再び訪れる機会を与えてくれたのはartdishのキュレーター、麻知さん。
上村一夫の展示ではお馴染みのartdish。いろいろお世話になっています。

そんなartdishのFacebookページができたそうです!

沢渡朔さんの「少女アリス」が、スペシャルエディションとして河出書房から
10月に復刻されるそうなので、その情報などアップされるとのこと。
「少女アリス」スペシャルエディションって...ゾクゾクします。


嵯峨芸術大学での展示が終わって以降は、いろいろな展示を観たりしながら、
少しずつ次の企画を考えたりしています。
本の復刻はなかなか難しい状況が続きますが、それはそれで勉強にもなりますし、
厳選されたものを作る欲も出ます。

また良い形で上村一夫の作品を復刻できるようがんばりますので
どうぞお楽しみに。

猛暑の日々、皆様ご自愛くださいませ。




終わりに、夏の一日のBGMは本日リリースのこの逸品。



上村一夫を通して知り合ったドウオカさんの音。言葉。
それはそれは突き抜けて素晴らしく、ずーーーーっと聴いています。
生きていること、考えます。
音楽はもうこれだけでいいや、というほどの名盤かも。
来週は神保町のnuisance galerieでレコ発ライブとのこと。楽しみ。







2014年7月30日水曜日

京都、ふたたび

京都嵯峨芸術大学での展示が終わりました。
素晴らしい回顧展となりました。
足を運んでくださった皆様、
ご協力いただいた皆様、
本当にありがとうございました。



5月10日、搬入日。400枚以上の作品を持ち込みました。

漫画家以前の作品から晩年の作品まで、順を追ってわかりやすく
上村一夫の軌跡を展示していただきました。

こんな楽しい展示も。
「ゆーとぴあ」の中吊りポスターからの昭和ノスタルジイ。
大好評の豆本は学芸員の釜我さん作。


お出迎えの「おみねちゃん」(釜我さん命名)は等身大。
飛び出すお抹茶。
 

 学生の皆様が何か感じ取ってくださったのなら本望です。


コミックアート科の学生さんとのコラボも刺激的で楽しかった。


最終日、皆さんから頂いた花束を上村一夫に捧ぐ。 
 
またいつか京都で。

2014年6月16日月曜日

嵯峨芸術大学での展示ご案内

W杯日本戦の開幕とともに、ひっそり始まりました、
『漫画家 上村一夫の世界 〜昭和の絵師と呼ばれた男』展。
そんななか、京都・大阪、そして東京からもご来場いただいて嬉しいかぎり。
後ろ髪を引かれる思いで昨晩東京へ戻りました。

なぜ嵯峨野で...と聞かれますが、こればかりはご縁としか言えず。
人との出会いが人を呼び、春画羽織を呼び戻し、高信太郎さんと上村一夫が
再会したような。必然ともいえる空間となりました。

来月7日には展示替えがあります。
最終日27日にはギャラリートークをさせていただきます。
あの空間がすでに懐かしく感じます。

今回、京都駅から電車でのんびり嵯峨芸術大学まで行きました。
初めての方のために京都駅からの道のりを記しますので、ご参考まで。

●京都駅 31・32・33 のりばから、嵯峨野線・山陰線(二条・嵯峨嵐山・亀岡・
 園部方面)に乗って「嵯峨嵐山」駅下車。(普通でも快速でもOK)

●改札を出て、南口(嵐山方面)階段を降り、正面に見える商店街を3分ほど直進すると
 嵐電の線路があります。手前のホームが嵐電嵯峨駅(四条大宮方面)です。

嵯峨商店街

●後ろのドアから乗車して、2つ目の「車折神社」で下車。
 降りる時に精算です(200円)。


ホームから見える車折神社の参道を通り、お参りなどしつつ(ここは芸能神社として有名です)、境内を抜けると三条通りがあります。


通りを渡って細い通りを直進、突き当たりを右に行くと郵便局が見えてきます。
その隣にそびえるのが嵯峨芸術大学です。


郵便局隣のポスターが貼ってある東門から入るとすぐ左に附属博物館があります。


キャンパスマップ

観覧は無料、どなたでもご覧いただけます。
7月27日以外、日曜休館、平日の閉館は17時です。
会場に入ると等身大の上村美女がお迎えしてくれます。

目玉の『春画羽織』は、会場左奥に密やかに展示しております。
どうぞお見逃しなく!

他に、「アモン」や「スキャンドール」の原稿、「同棲時代」や「狂人関係」の
一話を全て原稿で読めたり、岡崎英生さんの「しなの川」原作生原稿と上村一夫が
そこから起こした 原稿を見比べることもできます。

また、今回大学での展示ということもあり、短期大学コミックアート科の学生の
皆様と「上村一夫ぬり絵」 企画を立ち上げました。
新鮮なコラボレーションとなっていますので、是非こちらもご覧いただければと思います。展示場所は遊意館2階奥のラウンジです。MAP

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

『漫画家 上村一夫の世界 〜昭和の絵師と呼ばれた男〜』展
会場:京都嵯峨芸術大学 附属博物館
会期:2014年6月15日(日)〜7月27日(日)*会期中展示替予定(7月7日より)
開館時間:10:00~17:00
入館料:無料
休館日 :日曜日(6月15日・7月27日を除く)

所在地:〒616-8362 京都市右京区嵯峨五島町1番地 本部キャンパス研究棟1階
TEL:075-864-7898 FAX:075-882-7770





2014年5月28日水曜日

高信太郎さんの春画羽織

京都・嵯峨芸術大学附属博物館での展示が近づいてきました。
先日、高信太郎さん所蔵の春画羽織はじめ、原稿・イラスト・ポスター・雑誌など、
400点以上の作品を無事お届けして参りました。
学芸員の皆様に熱心に取り組んでいただき、充実の上村一夫回顧展になりそうです。

下の画像は、1986年に追悼本として小学館から出版された「一葉裏日誌」の巻末に、
高信太郎さんが寄せてくださった追悼文「羽織の裏地」からの抜粋です。
高さんの漫画家生活十五周年真ん打披露パーティーで、この羽織をお披露目するまでの
ことが書いてあります。
この●だらけの羽織の実物を●なしで初めて展示させていただきます。
あまりにも淫美、儚さ漂うエロスです。


『漫画家 上村一夫の世界 〜昭和の絵師と呼ばれた男〜』展
会場:京都嵯峨芸術大学 附属博物館
会期:2014年6月15日(日)〜7月27日(日)
会期中展示替予定(7月7日より)
開館時間:10:00~17:00
入館料:無料
休館日 :日曜日(6月15日・7月27日を除く)

京都嵯峨芸術大学 附属博物館
所在地:〒616-8362 京都市右京区嵯峨五島町1番地 本部キャンパス研究棟1階
TEL:075-864-7898

2014年5月3日土曜日

上村一夫時代劇画コレクション「大奥の狐」発売のお知らせ



昨年11月に発売されたコンビニ本「木枯し紋次郎ベストコレクション」に続き、
またまたリイド社から時代劇を復刻させていただくことになりました。
前回は巨匠・小島剛夕先生と影丸穣也先生の漫画に加えていただいた感じでしたが、
今回は上村一夫時代劇画集となります。嬉しい。
上村一夫マニアックスの方々には言わずと知れたラインナップかもしれませんが、
これがまた一堂に会すると趣があり。。。コンビニで見かけたら是非お手に取って
くださいませ。(廉価版はすぐ店頭から姿を消してしまいますので!)
収録作品は、「大奥の狐」「ひとり独楽」「ほおずき」「刺青心中」「蛍」「お綱の門「おかね餅」「お絹 怨炎」「淫桃記」「おんな腹」「子堕ろし お香」「橋の下」の
全12作。上村一夫珠玉の時代劇集です。
ちなみに、1980年頃、オハヨー出版から「大奥の狐」というタイトルのB5単行本が出版されましたが、それと今回の内容は異なります。

出版社:リイド社
発売予定日:2014年05月21日
シリーズ名:SPコミックス
ISBN:9784845841615 (4845841614)
価格:600円 (税込)

2014年3月31日月曜日

『漫画家 上村一夫の世界 〜昭和の絵師と呼ばれた男〜』展 @京都嵯峨芸術大学 附属博物館


今年も京都での展示が決まりました。
それも大学内の博物館。初めての試みです。
きっかけは昨年の京都恵文社一乗寺店での「モダニスト 上村一夫の世界」にて。
大阪で長年上村一夫をコレクションしてくださっているN氏と一緒に展示を観に来てくださったのが今回の企画をすすめてくださった京都嵯峨芸術大学 学芸員のM氏。漫画にも造詣深い氏が、上村作品に興味を持ってくださったことは記憶しておりましたが、まさか大学で展示させていただけるとは!
常々、今の若い世代に上村一夫の漫画やイラストを観ていただき、その反応を知りたいと思っているので、絶好の機会と思いました。
そうと決まったらまず展示場所を拝見、と京都を訪れたのが小雪ちらつく二月のこと。
N氏のありがたくも楽しい送迎にて訪れた嵐山。ゆったり流れる桂川のほど近く、なんとも風情ある場所に京都嵯峨芸術大学はありました。
その立派な設備と静かな空間、学校にいることを忘れてしまうような時間でした。
上村一夫の軌跡を簡潔に集約して観ていただけると確信。
なかでも魅力的だったのが博物館展示でよく使われるガラスケース。せっかくなので是非使わせていただきたい!...と思い、この度、究極の品を展示させていただくことになりました。
それは…上村一夫が生前、盟友・高信太郎さんに贈った直筆春画羽織。上村エロス究極の逸品です。
実際、私も実物を見たことはなく、今回高夫人にお願いしてお預かりしたわけですが...まあ凄く綺麗です。モロですけど。芸術か猥褻か、これを大学の展示で公開してもよいものだろうか悩みましたが、公開します。18禁になると思いますが悪しからず。
その他、 上村一夫の漫画家としての軌跡を辿る濃密な展示物多数展示予定です。
一般の方の観覧ももちろんできますので、京都にお越しの際は是非お立ち寄りくださいませ。

『漫画家 上村一夫の世界 〜昭和の絵師と呼ばれた男〜』展
会場:京都嵯峨芸術大学 附属博物館
会期:2014年6月15日(日)〜7月27日(日)
会期中展示替予定(7月7日より)
開館時間:10:00~17:00
入館料:無料
休館日 :日曜日(6月15日・7月27日を除く)

京都嵯峨芸術大学 附属博物館
所在地:〒616-8362 京都市右京区嵯峨五島町1番地 本部キャンパス研究棟1階
TEL:075-864-7898

2014年3月28日金曜日

電脳MAVO

今年は来るべき上村一夫没後30年に向けてひたすら考える年にしよう、などと思っていたのも束の間、嬉しい企画がいくつか進行中。
メモリアルイヤーのことは復刻活動しながら考えることに。
あぁ、のんびりしている暇はなかった。
まずは配信のお知らせです。

明日3月29日(土)昼から、「電脳MAVO」で『完全なる答案用紙』を配信します。

老若男女、デジタル好きにもアナログ派にも一度アクセスして欲しいと思います。
データは当時のカラー原稿そのままに再現しました。
電脳MAVOおもしろいです。
編集家・竹熊氏の独断で選ばれたと思われる作品群、カラフルで楽しいバナー、
ストレスのないシステム、広告もない無料配信。
わかりやすくて読みやすくておもしろいところに惚れました。
まさにオンラインコミック。久しぶりに雑誌で漫画を貪り読むような感覚です。

配信漫画はまだまだ発展途上だと思います。
もっと多様に、そして洗練された形になっていくといいと思います。
電脳MAVOはその可能性をチラつかせてくれたサイトです。


「完全なる答案用紙」の初出は1970年10月18日号の少年マガジン。
画像はKONFUNKさんの写真から。(今ちゃん勝手にすみません)







2014年1月11日土曜日

命日

1月11日は上村一夫の命日です。
今年も横須賀へ墓参りに出かけました。
1のゾロ目の日から私の一年は始まります。

その後、墓参りに付き合ってくれた友の新しい家族に会いに三浦まで。
海を見て、新しい家族のその小さい手を握ったら希望の光が見えたような。

山の上にある墓前からの景色

三浦の海

1月10日から26日まで、神保町・書泉ブックタワー4階で
上村一夫の複製画を展示させていただいています。
複製画の展示に併せ、復刻した書籍と美女画グッズの販売もしています。
点数は多くありませんが、新旧の漫画溢れる人気の書店さんで
作品を取り上げていただいていることはとても嬉しいことです。
機会がありましたら是非お運びくださいませ。

上村一夫版画展
・開催場所/神田神保町・書泉ブックマート4F(東京都千代田区神田神保町1-21-6)
・開催期間/2014年1月10日(金)〜1月26日(日)
・営業時間 /平日 10:30~20:30、日・祭日 10:30~19:00


今年も上村一夫の作品をいろいろな形で復刻できたら、と思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。