2014年8月30日土曜日

いろいろ発掘の巻

昨晩、Eテレの「ニッポン戦後サブカルチャー史」で特集していた
「雑誌ワンダーランド 70年代」、今まさに古い雑誌の整理をしている最中なので
なんともタイムリー!残念ながらヤンコミは登場しませんでしたが。。。

個人的に好きなのは『平凡パンチ』の表紙を飾っていた大橋歩さんのイラスト。
いま見ても実にカッコイイ。



70年代は劇画ブームで面白い劇画雑誌が次々と創刊されていましたが、
その中でも「タッチ」はひときわ目を引きます。
上村作品の原作者でも有名な岡崎英生さんが少年画報社を退社されてから
お仲間と作った幻の月刊誌。表紙は上村一夫画のマリリンの号。



こちらは、サンデー毎日増刊号の「劇画&マンガ」。豪華!
こんなに面白い漫画家がたくさんいたんだなあ、とあらためて思います。
いまこの雑誌のシリーズまるまる復刻したらすごく面白いのではないでしょうか。





そんなこんなで、今日も古い雑誌に埋もれつつ。。。
ついに発見しました!上村一夫のギャグ漫画!
ちょっと写真ボケちゃいましたが、どうやら『どんっ 』というタイトル。
(カスタムコミック・1981年8月号に掲載)


今の時代ならゆるキャラになっていたのではないかと思われる
可愛らしいスペルマ君のお話です。(ならないか)



はたまた、こちらは衝撃のSF作品『原宿888』。平凡パンチの888号を記念して描かれた短編です。昨日、世田谷文学館で「日本SF展」を観ただけに、反応してしまいました。
なんと真ん中のおっぱいから卵産まれます。



短編で秀作も。
「小春情炎」(原作:東 史郎)。週刊漫画ジョー'78掲載。


「やさしい女」 1973年の劇画ゲンダイ掲載。


どちらもいつかどこかで発表したい短編です。


最後に、こちらは上村一夫絶筆と思われる作品『ヒットラーのワイン』。
原稿が残っていないので未読でしたが、ようやく読むことができました。


以前からどんな話なんだろう、と思っていましたが、意外にも冒頭から実にリアルな上村一夫本人と思われる人物が登場。実体験を置き換えたお話かな。


作中に45歳にして男は終わっていた、というようなセリフ。
うなずける気がします。(精神的にも肉体的も老成した人でしたから)






オマケ
週刊漫画サンデーの「劇画プロダクション拝見」のページ。
1972年だから「同棲時代」で忙しくなり始めた頃でしょうか。
本人、恐ろしく似てるし。(絵と文:西沢勇司氏)


事務所には小さい頃何度か遊びに行ったことがあるけれど、なんだかむさ苦しくて慌ただしくて落ち着かなかった記憶が。

70年代を駆け抜けた漫画家の匂いがプーンと漂ってくるような夏の終わりの一日でした。